台風の進路予測の精度が一段と向上している。その背景には、AIモデルの導入
があるようだ。
昨今のAIの進化には、目を見張るものがある。
明白な因果関係を基にした物理モデルは、気象予報士による解説ともよく合う
納得感がある。
しかし反面、過去に例のない気象条件化においては、先の進路を予測しきれな
いという課題も抱えていた。
これはAIとて同じだろう。しかし、決定的な違いは世界中の膨大な過去データ
を即座に取り込み、分析できる処理能力の高さにある。
AIは物理的な因果関係を追うのではなく、世界規模での天気図の画像データを
メッシュ単位で解析し、等圧線や各種気象データを統合して比較することで、
高い類似性を持つパターンを瞬時に導き出していると考えられる。
一方でAIの精度向上には「高品質かつ大量の学習データ」が欠かせない。現在
は、欧州研究機関のデータが標準とされているが、日本の気象は極めて独特で
あることを考えると、欧州の基準値から外れるパターン(外れ値)も少なくな
いはずだ。
今後、日本特有の気象データをより多く学習させることで、「未曾有の豪雨」
のような極端な気象現象も、日本独自のAIによって高精度に予測できる日が
訪れるにちがいない。